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連載  5

絵はがき

  1970年代初頭に2年間ほど静かに暮らさせて貰ったブッダガヤ郊外入口にあたるビルマ寺の周りは、かつて水田ばかりだったのに、民家やら旅館がそこに至る前から道の片側に居並んでいて、オート三輪タクシーが通り過ぎ、大きな警察の敷地に差しかかってからようやく後ろを振り向いてその存在を確かめる次第。それからオート三輪タクシーは、坂を上がりチベット寺の裏に新設されたバイパスらしきを突っ走った。ブッダガヤは、かつてムスリムが攻めて来た時に、土地の仏教徒が聖地を破壊されないために、大きな小山をその上に盛って隠したから、その名ごりの小山がまだ一部残っている。ムスリムに征服された後、土地の仏教徒は徐々にヒンドゥー化かムスリム化したようだ。

 仏教というのは大変な瞑想努力を通じて、人間の心の動きを見定める。体験的な存在科学ではないかと、僕は思っている。その完全に宇宙エネルギーと一体化する悟りに到達するには、継続された、より深くより広くより高く心を鍛錬する修行が不可欠であり、そのレベルを全うするには、俗な物欲的欲望や一般的な人生体験たる仕事や家族に関わる掟もない。

 その膨大な数の聖者群が残した悟りに至るプロセスは、僕のように時たま仏教徒をやっている者にとっては(すさまじい)と外から感嘆するより他はない。つまり本物の仏教徒には、出家しかなれないほどの難物なのだ。だからムスリムが攻めて来て、中産階級上流のサポートを受けて来た仏教寺の富と、仏教僧の知性や知恵や指導力を狙い撃ちした。寺は略奪され僧は殺された。尼は強姦された。多くの仏教僧は髪をのばし、ヒンドゥー行者に扮して各地に散った。その一派がここビハール州の東隣にあるベンガル州で今なお強く存在している吟遊詩人バウルの源流である、と一時寄宿したことのあるバウルのグルが言っていたのを思い出す。歌曲や精神高揚させる刺激物を一切禁止されていた仏教僧が、悟りの状態を神の次元へと転換し、その神との交感を、歌曲として村から村へと歩き歌い、喜捨により身を立て、更にはヒンドゥー行者にとって旅の伴侶ともなっている大麻を吸う生活への変化。その流れは中世にムスリム支配下で硬直したヒンドゥー教に再び新しい変革をもたらしたのだった。
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