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4月13日休日NY散策

4月13日
 起きても時差ぼけに身体は動かない。でも今日は休日。ゆっくり自立整体のエクササイズをする。明日午前11時、ウォーク参加のためにニューヨーク在のコーディネイターが手配してくれたバスに乗る、予定はそれだけだ。ぐずぐずとうまいコーヒーにパンの朝飯、タバコ、そしてピチピチとしたヨーロッパからの若者が多いホステルだ。歩き出したら、ハドソン川に突き当たった。川沿いの公園は子連れの散歩者、緑のベルト、リス。恵まれた環境だ。しかし何やら冷ややかな表情が多い。それから市内でも…とブロードウェイに向かって歩き始めた。都市の路上にはさびし気な表情が多い。

 ニューヨークの栄光の日々は終わった。前市長ジュリアーノが犯罪を少なくしたというが、9.11以来、景気は落ち、また新市長のお陰で少し上向きになったと、同室のアメリカ人中年は言っていた。だが、すさまじい管理社会と家賃の高騰で、アーティストは近くの州に拡散し、文化の味は失われたから彼は南アフリカに移住したそうだ。でも、そこは名だたる犯罪社会。ニューヨークに居た時にもブロンクスなどには決して近寄らなかったが、南アフリカでも同様に、ゲットーは避けて暮らしているという。彼にもさ迷えるアメリカ人の運命的な憂愁が漂っている。

 空は灰色、相変わらず今日も肌寒い。ブロードウェイに行く道の途中には閉店中のものも見かける。東京の中心街もそうだが、住人互いのコンタクトなく歩く人の表情にウンザリして途中で左折、Central Parkに入る。歩行者用の舗装道がカーブを描き、両脇の木々にはリンゴの花みたいな白い花、ボタン桜みたいなピンクの花が満開だ。

 ようやくトイレがあったので用を足した。内側のカギは壊され、人はソソクサと用を済ませてサッと出る。人目につかない所で互いに出逢うと、まず警戒しなければならないらしく、外の緑に戻っても、白けた気分は続いている。カップルや子連れが多い時刻のようだ。途中ふんだんにあるベンチで休み、緑と人を眺める。

 幼稚園児が集団で各々1本のロープにつかまって来た。先生が遊び場を指すと一斉にその緑地に向かって走った。それだけが明るい。

 時差ぼけのせいか、時間がアッという間に過ぎて、公園の反対側に抜けたのは午後2時。その近くには、巨大なメトロポリタン博物館が、前面の階段一杯に観光客を乗せて待っていたかのようだったから、僕たちも入った。

 入場券25ドル、シニア15ドルと表示されていたが、一寸受付と会話をしたら、実際は払えるだけ払えば良いんです、とのこと。そこで僕は10ドルにして貰って入場。まず古代ギリシャ展から見始めた。ほとんどは寄付、そしてメトロポリタン美術館がスポンサーとなって発掘した物だそうだが、正に膨大な人類の遺産が、歴史と地域に分けて展示されている。スケッチをしている人、写真を撮る人も多いが、圧倒的なのは団体客である。今やニューヨーク経済のかなりを観光に依存している。ドル安のせいもあって、物価が若いヨーロッパ人にとっても気楽に来れる場となっている事情もある。僕達のホステルは、他のホステルより高く、1ベッド35ドル、中華料理のテイクアウトがラーメン2ドル25セント、バスが2ドル半。そしてこの博物館以外にもモダン・アート美術館など、かなりの過去の栄光がこの都市には散りばめられている。

 メトロポリタン博物館では2階の南インドとカンボジア・アンコール文明の彫刻が特に印象的だった。そしてここの展示は、小物はガラスケース内だが、大物はごく近くまで近づけるほど、柵もなく、開放的になされている。勿論、見事に存在を消した黒背広の警備員が各所に立ち、客が触ろうとすると「Don’t touch」。ケイタイの電話が鳴ると「No Phone」の重い声が飛ぶ。客をハッとさせて指示に従わざるを得ない力がある。

 午後4時過ぎに博物館を出た。向こうの方から大群衆がシュプレヒコールをしている声が聞こえた。その方向に歩くとプラカードが乱立、その先頭にマイクでは弁士が次々とアジ演説をしていた。「ちゃんと契約を!」とか「健康保護を充実させろ!」とかの労働関係のデモ。ざっと2000人位が、セントラルパークを横切る車道を埋め、特にホットなのは、ハンドマイクでゴスペルソングを歌う中年の黒人女性の一団だ。

(エッここ、コンゴ?)とまで思わせるその歌と踊りの迫力に、しばし釘付けとなった。デモ隊はあらゆる方角から駆け足で集合する人で更にふくれあがった。ニューヨークでは南北戦争後の奴隷解放以前に、白人雇用主が、長い年季奉公をした奴隷を自由の身にしてやり、そんな黒人のコミュニティが初期からあり、近年黒人専用の共同墓地も発掘されたとのことをデモ隊の黒人より聞いた。メキシコ系も多くてスペイン語が飛び交うデモ隊には、圧倒されっぱなしだった。確かに、この市の黒人は、自信を持っているように見える。メキシコ人も後発ながら、陸続きに侵出した強さを持っている。

 帰りのバスの運転手はかなり年配の黒人だった。バス代2ドル45セントはコインで支払わなければならない。僕のコインは75セント足りなかったが、おうようにうなずき乗せてくれた。客はほとんどが黒人かメキシコ人かアジア人かだ。たまの白人は身障気味の老人ばかり。とたんに、ニューヨークのハイソな建物の裏側を見た思いがした。

 渋滞ひどい夕方、ようやくバスを降りて、ホステルに向かう道は低所得者用の団地アパート群を抜く道だった。7.8階建てのアパートのれんが壁には、NYPD(ニューヨーク市警)の監視カメラ作動中の看板が例外なく貼られている。確かにその道には屈強な黒人の若者がたむろしていた。だが、顔見知りの通行人とジョークを交わす位で、明るい雰囲気である。僕も危険な思いはまったくしなかった。

 ニューヨークのマンハッタンは南北に走る主要な道から一歩横に外れると、住民同士が立ち話をしている光景が良く見られる。黒人街だけではなく、中国人街、イタリア人街などもある。40以上の言語が話され、地域でもその言語が独立して使われているという。この人種のモザイクをひとつひとつまとめるには、効率の良い管理社会しかあり得ないだろう。小さな外国がひとつの都市に隣り合わせとなってつみこめられているのだ。

 そして、今や黒人の大統領を選んだ国だ。確かに40年以上前のSF小説「ブレードランナー」に黒人の警部、白人の刑事という配役あたりから、映画・テレビで黒人管理職、白人の現場仕事師といった配役の組み合わせが目立ってきた。黒人はアメリカ先住民、白人に次ぐアメリカの古参民族である。それを正当に評価しなければ収まらない位、白人至上主義は権威を保てなくなったのだろう。人口からして、白人はマイノリティになりつつある。人口増加の先頭を切るのがメキシコ人なのか、スペイン語がメトロ、バス、路上でひんぱんに耳にすることで判る。

 たぶん、大陸横断鉄道の抗夫から出発した19世紀からの中国人、そしてベトナム難民の多くを占めた中国系ベトナム人も多い。そして韓国系。街のスナック屋台はアラブ、パキスタン、インド系のようだ。ヨーロッパ系の白人にはアングロサクソン、ゲルマン、ラテン、アイリッシュ、ジューイッシュ、スラブ系と色とりどりだ。その全ての民族と人間的に付き合える余裕があるのが黒人系のような印象を受ける。彼らには戻るべき故郷はない。

 奴隷狩りをしたのは同じ黒人の他部族だったのだ。そうして白人に売られた1,500万人ほどの黒人奴隷が、南北アメリカ、カリビア湾に送られた。これほどの人口が一気に民族移動をしたのは、人類史上初めてであった。人類史のあけぼの期には27種類が居て、その内の7部族がアフリカを出、今日のユーラシアや北アフリカへと移住し、世界の人種の元となった。だが、奴隷貿易はアフリカに居残った20部族からもアメリカへ強制移住させた。だから南北アメリカには、ユーラシア地中海中東の民族とは違う要素が紛れている。ブルース、ジャズ、ヒップホップ。こんな音感の世界も後から出された20部族の血によるものかも知れない。それがニューヨークで実感した人類史のマンダラであった。

 明日は北北東、午後6時高速バスで3時間余のAlbanyに行く。ホステルに戻るとドーミトリーのベッドは大きく木製、与えられたシーツもまっ白、部屋の空間も広いのにはホッとする。この巨大なホステルを建てたのは、メトロポリタン博物館を建てたのと同じ建築家だという。今日は彼の作品を2つ体験したことにもなる。

 飛行機内の緊張と時差で不足していた睡眠を取り戻すかのように眠りに落ちた。
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